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卓君はやっぱりそうかと思いました。
これは最近、近所にできたケーキ屋の、
ダイレクトメールに違いありません。
でも手紙の文章はまだまだ続きます。
プレゼントの用意ができると、
こんどはトナカイたちの準備をしなきゃならん。
金の鈴が付いたひもを、一頭一頭つけていくんじゃ。
これがあの有名な
「ジングルベル」という曲になるんじゃよ。 |
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卓君は、信じられない、と思いました。
サンタクロースなんて架空の人物で、
そんな話はとっくに卒業したはずなのに…
でも手紙には・・・
サンタクロースなんているもんか、
と、思っておるのじゃろう。
サンタクロースを見たかったら、
クリスマスイブにサンタクロースの国に
くるとよい。
世界中の国々に飛び立つサンタクロース
のソリを、一般公開しておる。 |
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卓君は、またわからなくなりました。
どうやらこれはケーキ屋どころではなさそうです。
もしかするとフライドチキンの店かもしれない!?
卓君の脳裏に、小太りで、めがねをかけ、
いつもニコニコして街角に立っている、
とあるおじいさんの姿がうかびました。
わしはみんなの視線を浴びながらそりに乗り込む。まるでスターになったきぶんじゃ。あたりは大騒ぎさ。みんなの寝顔を見るのもいいが、
幸せそうな笑顔を見るのは、
もっと良いもんじゃよ。 |
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卓君はちょっとばかり想像してみました。
もし自分がサンタクロースの国に行けたら!
なんてわくわくする光景なのでしょう。
そうかこれは旅行会社のパンフレットなんだ!?
「冬休みはスキーをかねてサンタクロースの国へ!!」
こんなキャッチコピーがうかびました。
みんなわしに手をふってくれておる。
いよいよ出発じゃ。忘れ物はないかな? |
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それからわしは、トナカイたちに、
「さあ、行こう!」と声をかける。
するとそりはあっというまに空の上。
空気は冷たいが、とてもよい気持ちじゃ。
いちど乗せてやりたいくらいじゃよ。
この手紙は航空会社のパンフレットかもしれない!?
と卓君は考えました。
北欧の空を遊覧飛行する会社なのです。
でも、卓君は高いところはちょっと苦手です。 |
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めざす家に到着すると、さあ仕事じゃ。
エントツから、といいたいところじゃが、
近頃はエントツのない家が多いから大変じゃ。
なんとか家に入りプレゼントを置いたら、
すぐ次の子の家にいかなきゃならん。
プレゼントのリストは、
子供たちの名前でいっぱいじゃ。
こんどは警備会社のパンフレットかな?
と卓君は思いました。
『サンタクロースも入れない防犯装置』じゃ、
サンタクロースがかわいそうです。 |
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目のまわるような夜を過して、
クリスマスの朝に帰ってくるころは、
もうへとへとじゃが気分はそう快じゃ。
この一夜のために、一年を過しておるからな。
わしは妻に子供たちの様子を話してやる。
あの子は今年もいい子にしておったよ、
というと、妻はとても嬉そうじゃ。
そうそう、わしは卓君の、子供のときの
寝顔を見たこともあるんじゃよ。
結婚案内のパンフレットだったのか、
と卓君は思いました。
でもサンタクロースにもおくさんがいるなんて! |
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クリスマスの前には、
たくさんのおもちゃを作る仕事がわしを待っておる。家では、一日中にぎやかな音がしているが、
それはおもちゃを作る音なんじゃ。
こんどは隣町にできた大きなおもちゃやさんかな?
と 卓君は考えました。
そして子供のころ、目が覚めると、
きまって枕元に置かれていた
プレゼントのことを思いうかべました。
昨夜までなかったおもちゃが、朝そこにあるのは、
とても不思議で、魔法のようでした。 |
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卓君、
おまえさんはもうおもちゃで遊ぶ子供ではないが、今回のクリスマスには、
特別にプレゼントをあげることにしょう。
はてさて、何だと思うかね?
この手紙を最後まで読んでくれればわかるが、
それはまだ秘密じゃ。 |
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そろそろたくさんのプレゼントが、
きれいに包まれて、いろんな国に旅立つところじゃ。サンタクロースのプレゼントというもんは
ただおもちゃを包んでいるだけではないぞ。
その中には、
夢だの、希望だの、感謝だの、愛情だのといった
気持ちがいっぱいつまっとる。
子供たちは、プレゼントをあけたとき、
その気持ちも一緒に受取ることになるんじゃ。
もちろん、卓君や
中井君、つよし君、加藤君への
プレゼントにも入っておるとも。 |
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さあ、いよいよ出発じゃ。
わしはおなじみの赤い服を着る。
北極の空の凍るような寒さも気にならんような、
完全防寒仕様じゃ。
プレゼントをつめた大きな袋をソリに乗せ、
たくさんの子供たちに会えるのももうすぐじゃ。
外はもう、しんしんと雪がふっておる。
卓君、おまえさんへのプレゼントは、
静香にあずけておいた。
ま、楽しみにしておれ。 |
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わしは空をひとっ飛び。
ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、そしてさいたま市南区辻にもプレゼントを届けにいくぞ。
プレゼントを待っとる子供たちは世界中におるからな。そうじゃ、忘れておった。
わしがこんな手紙を書いたのは、理由がある。
プレゼントが無事おまえさんへ届くには、
ひとつ条件があるからなんじゃ。
それはクリスマスの朝に、ひと言こういえばよい。つけくわえるなら、できるだけ明るく、楽しくやってくれ。
卓君は、いそいで最後の紙をめくりました。
そこには・・・ |
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